障がいのある子どもが放課後を過ごす「放課後デイサービス」(放課後デイ)。
今、障がいが重く、支援が必要な子ほど、利用しづらいという問題が起きています。
なぜ、このような問題が起きるのか
施設、スタッフ数が十分でないことに加え、国の報酬設計のバランス上、障がいの軽い子を多く受け入れ、最小限の支援員で回すことが経営上のインセンティブとして機能してしまっているためです。
運営団体は利益を追求して放課後デイサービスに参入しています。
こういった福祉分野を営利団体に開放することは、このようなデメリットが生じることも肝に銘じておく必要があるのです。
障がいの重さを理由に入会を断られ続け、日替わりで5カ所の放課後デイなどに子どもを預ける保護者の事例を紹介します。
シングルマザー田中さんと自閉症である長男(6歳)の事例
都内の大手企業に勤める田中絵里さんはシングルマザーで、長男の湊人さん(6歳)と2人暮らし。
湊人さんには重い自閉スペクトラム症(ASD)があり、この春、区外の特別支援学校に入学しました。
自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しく、時には噛みつくなど「他害行為」をしてしまうこともあります。
多動の傾向も強く、付きっきりの介助が必要だといいます。
ところが、湊人さんは学校が終わると、曜日ごとに異なるサービス事業所に通っています。
週のうち4日は区外の放課後デイへ。
残る1日は障がいのない子たちと一緒の学童保育を利用しています。
放課後デイの受け入れ先がなかったからです。
「入学前は学校と放課後デイなどの準備でてんてこ舞いでした。毎日違う事業所なので、連絡帳の書き方、持ち物、お迎え時間や場所が変わり、スケジュール管理が大変です。お迎えが16時ごろと早めの日は、仕事を早く切り上げる日もあります」(田中さん)
湊人さんは、環境の変化にストレスを感じやすい障がい特性があります。
また、週1日とはいえ、学童保育のスタッフは必ずしも保育や福祉の専門家ではなく、大人数の小学生と一緒に過ごすだけに、他の子にケガをさせないかも不安です。
かといって自身が働かないと生活を維持できないのです。
「本人も毎日違う場所でよく頑張ってくれていますが、強いストレスを感じているようです。発達クリニックの先生も環境の変化が原因だろうとおっしゃっていました。学童も含め、周りの皆さんが本当によくしてくれて感謝していますが、やはり心配は尽きません」(田中さん)

障がいのある子が友達や支援員と交流し、自立する力をつけることを目的としますが、湊人さんのような重い障がいの子が入りにくいという問題が起きているのです。

